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手作りスピーカー しょの6

「手作りスピーカー しょの6」
申し訳ございません。シリーズ第6弾?『しょの6』でございます。
ご興味ない方・・・本当に申し訳なく思います・・・。
今回はスピーカーの手作り「偏」の6回目でございます。


前回までに、
①D-101S(スーパースワン)からはじまり、
⑥FE88ES-Rのトールボーイ型バックロードホーンスピーカー(オリジナル)まで書きま
 した。そこで、今回は残った手作りスピーカー(小物など)をまとめてご紹介いたします。
 (作ったもののご紹介は、これが最後です。この後、図面だけのモノをご紹介いたしまして
  当面の最後回といたしますが・・・。)

長い間、本当にすみませんでした。

で、今回の内容は、
(1)D-37ESというD-37のMAKIZOUさん仕様のESバージョンのご紹介
  こちらは口径16cmのCW型バックロードホーン・スピーカーです。
(2)FE83Eという定番の(普通の)口径8cmスピーカーを使ったミニバックロードホーン
  (たぶん静岡に在住?の方が、ネットに公開して下さっているバックロードの図面の通り製   作したものです。ミニでも音は良いです・・。)
(3)長岡先生のBS-28という評価の高いバスレフ型のスピーカーの若干の設計
   変更・ユニット変更のバージョン。
(4)ミニミニ・テレビサイド用バスレフ 8cm
shugou blh.JPG
3台の写真です。D-37ESとBS-28改、(D-99(改)ES-R)がありました・・。
      
の4点が主なメニューです。
では、まず

(1)D-37ESです。
長岡先生のD-37は、9年程前に2台目のバックロードホーン・自作スピーカーとして作り、大変気に入って使っていました。しかし、その後(2005年くらいに)FOSTEXさんから、使用していたFE168SSというユニットの次世代版となるFE168ESという超強力ユニットが登場しまして、小生の心を揺さぶりました。この新ユニットが気になりました。
音も相当良い。低音が出る・・。高域も延びている・・・。など、欲しくなる話でした。
なんとかコイズミ無線さんでこの新ユニットを予約して、真鍮リングと共に購入し、準備を始めました。

ですが、D-37のエンクロージャーをそのまま流用して、ユニットの交換だけをやっても、この新ユニットの能力を引き出せないと言う雑誌記事などが参考になり、箱から作らなくてはダメだなぁとも思っていました。

ネットなどで調べて検討・勉強しますと、FE168ESを使いこなす処々の方法がありましたが、小生は広島の「MAKIZOU」さんのD-37ES版をシンプルで良いな・・・と思いました。
MAKIZOUさんでは従来のD-37の幅だけを20mm?広げて、後は全く同じと言うD-37ESを用意していらっしゃいました。
小生はこれを注文しました。例によってスーパー・シナ・アピトン材の15mmでお願いしました。
届いたのは相当前(1年以上?)ですが、製作する意欲のダウンや仕事の環境変化・・また、スーパースワンなど他のスピーカーを売る決心がつかず、従って、作っても置き場所が無いなど・・重なりまして、作らずに材料のまま、ずっと置いておいたのです。

結局2006年の秋になって、スワンや他のスピーカーを売る決心がついて、スペースも空くので、めでたく??D-37ESの製作開始となりました。

組み立ては長岡先生の『こんなスピーカー見たことない(一刊目)』という本に詳しいです。
幅が20mm広がっただけですから、こちらをご覧くださいませ・・。

組み立て式、通りに作りました。このESでは面倒な三角材は入れていません。
一部で三角材は入れないほうが低音が出る・・・などの話もあり、今回は入れないでやってみました。正直に言えば、この頃、製作の「根気」が落ちて・・・いましたし・・・。
写真がありますので、ご覧ください。
D37ES up.JPG       D37ES buffle.JPG
完成してトゥイーターT900Aを乗せました。  バッフルの裏を加工しています。
D37ESotomichi1.JPG D37ESotomichi2.JPG
音道の中もステインで事前に着色します。       三角材はつけていません。
D37ESotomichi4.JPG D37naibu up.JPG
空気室下の空間はミクロンウールを充填     音道の平面に白の3mmフエルトを・・・

組み立て前に油性のオイルステイン(メープル)で着色し、組み立て後、2液性ウレタンのクリアで3回ほど、ガン吹き塗装をしています。
このD-37ESでは吹き付けたままで、スプレーのツブツブを消しておらず、コンパウンドでは磨いておりません。
ツヤツヤではなく「しっとり」した光沢にしています。磨くのは後からいつでも磨けますので・・・塗料を吹き付けたまま・・に敢えてしています。これはこれで味かなと思いまして・・。
(最近、チョットだけ磨きました・・・。)
肝心な音ですが・・、やはり迫力があってハイスピードで飛んできます。
小生のレベルの耳では家庭用としてこれ以上は不要では?と思うほど、音離れ、抜け、切れ、粒立ち・・などが良いと思いました。・・・何を聞いても「凄い」のです。聞き込むと少々疲れるくらいの情報量ですし・・・。

しかも、エージングという概念はあまり関係ないみたいで・・・もちろん一ヶ月程度でユニットの馴染みが出て、さらに素直というか、角が取れるといいますか、柔和?に・・良くはなりますが・・・、鳴らしはじめから、しっかり低音が出ており、大変驚きました。
低音感は従来のD-37のFE168SSというユニットの時とは、比較にならないくらい、しっかりありました。

8.5cmのFE88ES-Rとは異なり、低く沈み込んだ音域から低音が出ており、音楽全体の重心がしっかり下がって安定する感じです。
特筆はバランスの良さでしょうかね・・・。上も出ていますし・・・。
ただしトゥイーターは必要だと思いますですが・・・。

アナログの再生とのマッチングも良いようで、音にうるさい方で、元PCM音楽放送局の方が拙宅に遊びにこられた時、アナログでビートルズのレット・イット・ビー(ネイキッド版)を聴かれ、ご本人曰く、「不覚にも涙が出た」と泣きながらおっしゃった・・ことがありました。
ビートルズがこんなに良い鳴り方で、きちんと音が出ているのは珍しいことで、久しぶりに驚いたんです・・・とのことでした。

小生はそれほど耳に自信がありませんがうれしい話でした。
ちなみに小生は、もうオッサンで年ですが、モスキートーンは宇宙人のレベルは無理なものの、その手前までは全部聞こえます・・・。何の参考にもなりませんで・・・すみません。

(2)FE83Eのミニバックロード
ネットを見ていたら、おそらく静岡?にお住まいの方が、ミニのバックロードを設計され、図面を公開されておられました。一見して良さそうに思える合理的な設計で、「これは良い」と作ってみました。
何ら変更していません。図面どおりです・・・。
http://www2.tokai.or.jp/livesteamloco/index.htmがその方のホームページです。
オーディオと言う項目の中に図面がありました。
有難うございました。作ってみました・・。

作ってから、下地に「との粉」を水で溶いて、少々(水5にボンド1くらい)木工ボンドを加えたものを塗り、目止め(塗料が染み込み過ぎないように)をして、さっと紙やすり(400番)で表面をサンディングしました。これで塗装の下地はできます・・。・・面倒でしょうか?
それから水性のウレタン塗料のメープルカラーを完全に乾かないうちに、3回ぐらい重ねて塗っただけです。
会社でチョット聞く用に使っています。十分良いです。小さくてもバックロードのピュアな感じはありますし・・・。
もちろん、組み立てに際しては、ユニット固定に爪つきナットを使うなど、小生の組み立て方は踏襲しています。
カワイイし、これは意外なほど良い音です。写真が、組み立て途中の様子からありますので、ご覧ください。ご参考に・・・。
mini BLH naibu1.JPG mini BLH naibu2.JPG mini BLH naibu3.JPG mini BLH.JPG
ミニでも一応バックロードらしく、ホーン開口部に階段状の音道があります。

このスピーカーは意外に十分良くて・・・かえって考えさせられます・・・。
これでも良いのではないか・・・と。
じっくり聞き込まなければ、低音の沈み込み不足などの欠点も大して感じませんし、破綻も感じません・・・。複雑な思いです・・・。
フルレンジスピーカーというのはそう言うものなのでしょうね・・・。まとまっているんですね・・・。

(3)BS-28改造版の製作
これがバックロード好きの小生にしては、珍しい?と言いますか、初めて挑戦した
バスレフ方式の2ウェイ・スピーカーです。
キッカケは月刊ステレオさんの記事でした。

BS-28は侮れない凄いスピーカーで、長岡先生の傑作、「モアイ」と言うスピーカーの片鱗を感じるような音・・・とか。
それを読んで、小生いつかは作ろうと思っていました。
しかし、時は流れ、流れて・・。

FOSTEXさんの、このスピーカー用のユニットが廃盤になってしまいました・・・。もうオリジナルと同じユニットが入手できませんから、作れないのです・・・。

で、ガッカリしていたのですが、ある時ふと遊び心が湧いてきました。
台湾製の安価なユニットですべてを置き換え、非常に安価に作ると言う風に目標を置き換えたのです。面白そうですから・・・。

このスピーカーは片側にウーハー2個左右で4個 トゥイーターも片側に2個左右で4個使います。つまりユニットは8個・・・。
でも台湾製。ウーハーもトゥイーターも1個2,980円でした。激安ですね。
で、片側11,920円でユニットが揃います。
(最近ですとトゥイーターがネオジウム磁石で970円と言うのもあります・・ますますこの手の改造では・・・ねらい目ですね)

それで、左右でもその倍23,840円。ベニヤは15mm厚のシナ合板で1枚6千円くらいでしょうか?板も相当、余りますが・・。

小生はトゥイーターを一段落として、表面上は面一な感じで埋め込むために、バッフル版は
15mm厚のシナベニヤの上に、4mmのシナベニヤを重ねています。4mmのシナベニヤを入れても、板代は安いですが・・・・・・。
(段落ち・・にするには、素人は「彫る」より、「貼る」・・にしました。写真でご確認ください)

この設計の特徴は、ネットワークにアッテネーター(可変抵抗・ボリューム)が無い、長岡式なことです。
つまり8Ωのウーハーを並列の結線で4Ωにして使い、8Ωのトゥイーターを直列の結線で16Ωにして使います。
バランスとして、ウーハーに沢山、信号電流が流れますから、ブーストしたことになり、トゥイーターへの入力は電流が減ってパワーを下げることになり、結果的に低音アップと高音ダウンを果たし、アッテネーター(ボリュームつまみの事です)無しで音のバランスが取れる・・十分な低音を狙う・・・と言うネットワークを嫌う長岡先生らしい面白い工夫と設計なのです。

ですので、ネットワーク回路のパーツもウーハー用のコイルとトゥイーター用のコンデンサだけです・・・。
このスピーカーは、確かに月刊ステレオのオリジナルとは、ユニットも台湾製で異なりますし、箱のサイズも奥行きを20mm増やしたりと、遊んでいますので、なにかと違いますから、なんとも言いにくいですが、特徴は似ている様ですし、「なかなか良い音で、これはこれで十分」でした。

正確に、正直に言いますと、バックロードホーンを聞かなければ、これはこれで、何の不満も感じない、とても良い、メインにさえなれるスピーカーだと思いました。

その後、小生はこれを2WAYスピーカーの代表例のような感じで扱っています。
専用の台も作りました。

置く位置を耳の高さに合わせたら、このスピーカーのかなりの能力が初めて分かりました。
音場感が、かなり良い・・のです。
バックロードホーンの自作の時に、聞き比べる対象にも使っているのです。なんとなくですが、このスピーカーは小生から見て、妙にまとまった音質で、市販品っぽいなぁ・・と言う感覚もあるのです。
バックロードとの比較で、不満を言えば、トゥイーターの力がまだ少々強く、若干、低音不足気味に感じると言うことでしょうか。
精細・精緻な音で、音場が縦に高く、また横にも大きく広がるようにできる感じで、仮想同軸型の特徴でしょうか・・・独特なイメージがあります。

これは好みの問題もあるでしょうが、「相当良くて侮れません」。

明瞭な音の感じが好きな方には、おそらく堪らない魅力?ではないでしょうか・・・。
価格を考えたら、この程度の低音不足の話は言ってはいけない・・・欲張りすぎな要求なのかもしれませんが・・。
と言いますのは、ユニット片側4個のお値段はD-99ESRの真鍮の「リング代1個」とほぼ同じ(やや安い)ですから・・・。
まあ激安ですが・・・これは面白いスピーカーです・・。・・・・写真がございます。
bs28.jpg台湾のユニット(ウーハー)のポリプロピレンの透明コーン
                          が見えます。中が透けて面白いです。
BS28 up2.JPG BS28 buffle.JPG
完成写真とバッフル。トゥイーターを一段落として平面的に取り付けたいので、二重構造です。ユニットの円が上手に切れていません。円がガタガタです。寸法のミスや、やり直しで汚くなりました。
BS28 naka.JPG BS28 buffle ura2.JPG
内部のバスレフポート・・簡単な構造です。   バッフル裏の爪つきナットの写真
BS28 setchaku.JPG BS28 box complete.JPG
箱の接着と内部のネットワーク配線、吸音材の貼りこみで、箱は完成です。後は仕上げ・・・
との粉とサンディングで下地の調整をした後、
水性のウレタンニスをさらっと塗ってみました。

・BS-28改造版 図面

(4)FE87E使用のミニミニ・テレビサイド用バスレフ
これは自宅の14インチのテレビの横に置くための防磁型ユニットのバスレフです。
図面もありますが、何の事は無い、普通のスリット型ポートのバスレフでございます。
よろしければ、ご参考に図面と写真をお使いください。
水性のニスを塗って手軽に使っていますが、じっくり聞いてみますと、やはり血統は争えないといいますか、FE88ESRに近い音質を「ちょいと」・・・感じます。
FOSTEXは、FOSTEX・・なんですね。
まあコーン紙など似ていますからね・・・。
人によっては、FE88ESRと大して変わらない・・・などとも言います。ただのバスレフですが、結構これ、鳴らすと鳴ります。
侮れませんです・・・。
大きな音を出さなければ相当良いのです。

こじんまりと小音量で聞くなら、十分な性能があるのが、FOSTEXさんの8cmフルレンジだと思います。
8cmは良いです。トゥイーターが不要ですから・・・。
写真をどうぞ・・ご覧ください。
bouji bassref.JPG bouji bassref2.JPG
下地は定番のとの粉です。塗料は水性のウレタンニスです。乾くと水を弾くので、やや濡れたうちでないと塗り重ねが利きません。
簡単に仕上げができますが・・・。そこそこ?のできばえが限界ですね。

・FE87E使用のバスレフ 図面

02-26-07 15:12